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水墨画アラカルト ~ 黙庵から鉄斎まで ~
開催期間
2011.10.292011.12.11
開催場所
泉屋博古館(京都・鹿ヶ谷)

墨 - それは東アジア絵画の根幹をなすといっても過言ではありません。かすれやにじみ、濃淡ある面や抑揚ある線などの自在な変化は、水と墨、そして筆の組み合わせにより無限に生まれます。そのなかで描き出されるのは生命や宇宙。とりわけ、「変わりゆくもの、目に見えないもの」の表現を水墨画は得意としています。

例えば人物画。衣服をあらわす線ひとつとっても、市井の俗人から聖人・神仏まで、その境涯や時に心理さえ伝えているのに気付くでしょう。例えば山水画。朝・昼・夕・晩、あるいは晴・雨・風・霧といった、光や大気のうつろいをじつに繊細に描き分けます。例えば花鳥画。ほころぶ花弁にはじけるしべ。墨梅図ではそれが何色で何分咲きかだけでなく、限りある命の輝きが凝縮されるかのようです。

本展では館蔵日本絵画のなかから、中世から近代にかけての墨を基調とする作品をご紹介します。時代や画派にとらわれず、厳格なものから少し笑いを誘うものまで、画家たちが見せる多様な墨の世界で、お好みの作品を見つけてください。

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