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小川千甕 縦横無尽に生きる
開催期間
2015.03.072015.05.10
開催場所
泉屋博古館分館

小川千甕(おがわ・せんよう1882~1971)は、明治末期から昭和期までの長きにわたって、仏画師・洋画家・漫画家。日本画家として活躍しました。「千甕」の雅号は自ら名付けて「せんよう」と読みますが、一方で俳画や挿絵の画家としては「ちかめ」の名で親しまれていました。相当な「近眼」でもあったようです。

京都に生まれた千甕は、少年時代は仏画を描いていました。1902年(明治35年)からは浅井忠に洋画を学ぶ一方で、新感覚の日本画も発表し始めます。明治末、28歳で東京へ越してのちは、『ホトトギス』『太陽』などに挿絵、漫画を発表して人気を博しました。さらに1913年(大正2年)には渡欧し、印象派の巨匠ルノワールにも会っています。帰国後は日本美術院に出品し、本格的な日本画家として活動しました。

旅を愛した千甕は、各地を訪れ、その自然や風俗に共感を寄せて、自ら「俗画」と称したダイナミックな筆遣いの南画(文人画)風で愛されました。洋画と日本画、漫画と南画、美術と文芸などを自由に行き来し、その枠にとらわれない縦横無尽な仕事ぶりは、現代の我々に爽やかな印象を与えます。

本展は、千甕の初期から晩年に至る仏画、洋画、漫画、日本画約150点とスケッチブック、工芸などの資料を一堂に展示し、その芸術を紹介する初めての回顧展です。

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