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大名から侯爵へ ―鍋島家の華―
開催期間
2007.01.062007.03.11
開催場所
泉屋博古館分館、国立能楽堂

江戸時代においては佐賀藩主、近代では侯爵となった鍋島家に伝来した御道具の数々は、幾度かの災禍に遭いながらも、その難を潜り抜け、作品の大半は散逸することも無く、佐賀にある財団法人鍋島報效会に寄附、収蔵されて今日に至っています。これらの貴重な作品は、平成10年からは財団経営の徴古館において展示・公開されてきました。

これら鍋島家により大切に使われ、守り伝えられた御道具類は、家格に相応しい品格と膨大な数量を維持しており、文化の牽引をしてきた大名家の生活文化の格と広がりを示しうる作品群といえます。とりわけ染織品は、江戸時代の伝統と格式を大切に調和させた作品であり、華やかな生活を彷彿させます。また、維新後においては伝統を継承した有職の服飾類とともに欧風化の流れの中で、時代を先取りした最先端の服飾としてのドレス類が共存する様相がみられ、そのデザインはいずれも秀逸です。「大名から侯爵へ-鍋島家の華-」では、それらの染織品を中心に、生活を彩った調度類とともに大名家から侯爵家へと時代を越えて受け継がれてきた、鍋島家の文化を紹介しつつ、鍋島家の歴史と重なりながら踏襲されてきた、武家・公家そして華族の伝統的服飾の特質を辿り、文化の広がりの中にある豊かさの本質の再考を試みます。

なお、千駄ヶ谷の国立能楽堂展示室においては、鍋島家伝来の能装束を中心とした展示が行われています。二つの展示をご覧になり、「大名から侯爵へ」の名の通り、時代を越えて受け継がれてきた鍋島家の文化の多様性を楽しんで頂ければと思います。

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