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夔神鼓
- 時代
- 殷後期 紀元前12-11世紀
- 通高
- 82.0㎝
- 重量
- 71.1kg
鰐皮を両面に張った太鼓の形状をした器で、上には奇怪な顔をした二羽の鳥の飾りがつく。『山海経』によると、夔は牛のような姿をし、角のない一本足の獣で、その皮を張って太鼓を作ると、敲いた音は五百里先まで届いたという。当時実際に楽器として使用したかどうかは不明。内側は中空で厚みは約1~5㎜と、非常に薄手の鋳造となっており、当時の高度な技術を今に伝えている。
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螭文方炉
- 時代
- 春秋前期 紀元前8世紀
- 通高
- 20.2㎝
- 重量
- 3.8kg
ミニチュアハウスのような造形の器で、扉は開閉し、中に火種を入れて、食べ物を加熱することができた。扉の両側には門番が立つが、よく見ると、両脚が極端に短く表されていることに気づく。中国古代では、足切りの刑にあった人が門番の仕事に就くことが多く、文献中にもさまざまなエピソードが記されている。親しみやすそうな第一印象とは裏腹に、現代の感覚では計り知れない恐ろしさが、扉の隙間から顔を覗かせている。
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饕餮文方罍
- 時代
- 殷後期 紀元前11世紀
- 通高
- 62.5㎝
- 重量
- 19.0㎏
罍は酒を貯めておくための器で、ここから銘々に酒を酌みだしていたとされる。いかり肩の左右に二つの把手、肩部と下腹部の正面には獣の頭部をかたどった犠首がつき、屋根のような形状の蓋をもつ。雄偉な造りの器全体は饕餮文、夔龍文などの精緻な文様に覆われ、青銅器の造形のもつ厳しさと優美さの両面をよく伝える。
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鳳柱斝
- 時代
- 殷後期 紀元前11世紀
- 通高
- 49.5㎝
- 重量
- 5.39㎏
酒を温めるための器。口に2本の柱が立ち、器側面に大きな持ち手をつける。本器は底が3つに分かれ、それぞれに大きな尖足が付く。側面には先端が巻き上がった立体的な羊角の饕餮文があらわされている。さらにその上の頸部にも角の異なる饕餮文がある。口に付く二本の柱は、冠毛の発達した大鳥(後の鳳凰の原形)の立体像を飾っている。
第1展示室
青銅器名品選
いにしえの造形美
世界有数の住友コレクションの中国青銅器から、厳選された名品をご紹介いたします。奇抜で斬新なデザインから、重厚さと優美さを感じさせる造形、さらには動物をかたどった可愛らしいものまで、古代の技術の粋を集めた名品の数々をお楽しみください。